円形脱毛症とは
急な抜け毛は皮膚科へ相談
円形脱毛症は、境界のはっきりとした円形の脱毛が起こる病気です。栄養不足や毛髪の手入れを怠ることでも抜け毛になることがありますが、急に抜け毛が増えたり、ごっそりとまとまった量の毛髪が一度に抜けたりするようなときは、円形脱毛症が疑われます。
円形脱毛症の受診の目安
円形脱毛症は自然治癒することもある病気ですが、脱毛が止まらない場合や多発するようになった場合は一度、皮膚科を受診することをお勧めします。頭全体の毛が抜ける(全頭型)と治りづらいことが分かっています。
円形脱毛症の症状
円形脱毛症は痒みや痛みなどの自覚症状のないケースが多いため、家族・友人が発見したり、美容室で発見されたりするケースが多いです。
円形脱毛症の特徴
脱毛部分の大きさは10円玉大が多いですが、こぶし大ほどまで広がることもあります。
もっとも多い単発型円形脱毛症
一番多い症例は、脱毛が1箇所にできる「単発型」の脱毛症です。
そのほかの円形脱毛症
次々に脱毛が起こる「多発型」や、頭髪全体に起こる「全頭型」、頭だけでなく全身に渡って脱毛する「汎発型」などもあり、その範囲や広さは患者さんそれぞれ個人差があります。
円形脱毛症の原因はストレス?遺伝?
円形脱毛症の原因として、ストレスをイメージされる方は多いのではないでしょうか。実は近年の研究では、免疫に関連する特定の遺伝子との関わりが指摘され、円形脱毛症は自己免疫疾患の一種として考えられています。
さらに、疲労やウイルス感染、ケガ、出産、そして精神的なストレスなどのきっかけが加わり、自分の免疫細胞が自分の毛包を攻撃することで発症すると考えられています。
円形脱毛症の治療
治療を受ける際は、日々の生活の中でバランスのよい食事と十分な休息を心がけ、体調を整えることが大切です。それを踏まえた上で、皮膚科では円形脱毛症の原因となる毛包を攻撃する過剰な免疫反応を抑える治療を行います。
外用療法
軽症の円形脱毛症の場合は、ステロイド外用薬や、血流を促進する塩化カルプロニウム液を塗布します。脱毛部分が小さなものや、数が少ない円形脱毛症は、比較的治りやすいです。
ステロイド局所注射
脱毛範囲の狭い方に行います。月に1回、免疫抑制作用をもつステロイドの局所注射を脱毛部分に注射します。皮膚萎縮や皮膚陥凹などの副作用に注意が必要です。
局所免疫療法
脱毛が広範囲の方には、S A D B EやD P C Pという、わざと皮膚表面にかぶれを起こす局所免疫療法を行います。副作用として重度のかぶれがあります。
光線療法
どんな病型でもnarrow-band UVB療法という光線療法を行います。ステロイド外用・注射と併用することもあります。