小児皮膚科のご案内
当院の小児皮膚科では年齢とともに起こりやすいお子さんのお肌のトラブルに対応し、ご家族には家庭での適切なお肌のセルフケアをお伝えしています。お子さんの肌のトラブルにお悩みの方は、仙台駅ちゅら皮ふ科へご相談ください。
子どもの肌の特徴
赤ちゃんの肌は、きめ細かで滑らかな皮膚状態にあります。一方で、大人と比べてメラニンとよぶ色素を産生する細胞(メラノサイト)が少ないのが特徴です。メラニンには紫外線から肌を守る重要な役割があるため、赤ちゃんは日光の刺激に敏感で状態も安定しません。
また生後一週間目の新生児の場合は、皮むけやかゆみなどの症状を伴う「脂漏性湿疹」をはじめ、新生児にきび、毛穴を塞ぐ角栓(コメド)ができやすくなります。
思春期になると性腺の活動が活発になり、男性・女性としての身体的特徴が顕著にあらわれはじめます。そのホルモン変化の影響を受けて、コメドやにきびといった皮膚疾患を発症しやすくなります。思春期を終えるとにきび等の症状が落ち着く方が多いです。
一方で、大人になっても同じくホルモンバランスや食事の影響、ストレスなどによっても肌トラブルが起こりやすくなります。ストレスによってにきびができやすくなるのは、ストレスホルモンが分泌されることで、皮脂分泌や炎症活動が活発になるためです。
このように、お子さんの今後の成長に合わせて、皮膚の状態は変化していきます。
子どもに多い皮膚の病気・肌トラブル
子どものアトピー性皮膚炎
乳幼児期に発症することが多いアレルギーの病気です。ジクジクとした湿疹からはじまり、やがてかゆみや痛みの症状がではじめます。
年齢を問わず、左右対称にあらわれることが多いです。肌の状態がよくなったり、悪くなったりを繰り返すのも、アトピー性皮膚炎の特徴です。
アトピー性皮膚炎の症状の変化
年齢に応じて、症状があらわれる部分が変化する傾向にあります。
3歳くらいまでの乳幼児期は、顔や頭を中心に湿疹が出ます。ひどくなると胸や背中に広がることもあります。よだれや食べ物の汚れで口の周りや胸あたりが荒れてしまうことがあるため注意が必要です。耳の付け根の皮膚が切れてしまうこともあります。2歳以上になると、ひじ裏やひざ裏など関節部分にも表れやすくなります。
4歳くらいから13歳くらいまでの幼少期は、同じくひじ・ひざの裏側に出ることが多いです。また、腕や脚の裏側、背中や体側にも広がる傾向があります。全身が乾燥してしまい、ガサガサとした鳥肌のようになってしまうお子さんも少なくありません。
14歳くらいからの思春期以降は全身が乾燥してきて、皮膚が変色したり厚くなったりするお子さんもいらっしゃいます。症状が慢性的に続き、重症化しやすくなる年齢のため注意が必要です。
一方で、思春期をむかえると症状が軽くなっていくケースもあります。
子どものアトピー性皮膚炎の診断
湿疹ができてかゆがっているからといって、必ずしもアトピー性皮膚炎とは限りません。ご家庭でのセルフケアを含めて、適切に対応するために、まずは皮膚科を受診して本当にアトピー性皮膚炎かどうかの診断を受けることが大切です。
アトピー性皮膚炎の定義
- かゆみをともなう
- 湿疹を主な病変とする症状がある
- 慢性的に症状が続く
※ 乳児の場合は2か月以上、幼児~成人は6か月以上が目安
子どものアトピー性皮膚炎の約9割は、乳児期の段階で発症しています。そのため、兆候のみえる乳児は早めにアレルギー検査によって、アレルゲンを特定することをおすすめします。
子どものアトピー性皮膚炎の治療
アトピー性皮膚炎は治りにくいというイメージをもっている親御さんが多いですが、子どものうちから適切な対処をしていれば、改善ははかれます。
根底にあるもともとの体質や皮膚のタイプによっては時間を要するケースも少なくありませんが、根気よく向き合っていくことが大切です。
治療の基本となるのは
- 適切なスキンケア
- 薬物療法
- アレルゲンと悪化因子を除去
があげられます。
症状がない、もしくは症状があっても軽く、生活に支障をきたさない状態までコントロールしていくことを目的に治療を行います。
子どものじんましん
かゆみが強い病気としてあげられるのが、じんましんです。激しいかゆみとともに、皮膚の一部が赤くふくらみ、数時間後には跡形もなく消えてしまうのが典型的な症状です。
じんましんは皮膚の奥にある細胞が、なんらかの原因で刺激をうけ、ヒスタミンという物質を放出することで発症します。ヒスタミンの影響で、毛細血管が拡張し、皮膚が赤くみえたり、皮膚がふくらんだりします。さらに知覚神経が刺激され、強いかゆみが生じます。
じんましんの原因と治療
じんましんを未然に防ぐ、また改善させるには、原因となっているものを避けることが基本です。しかし、じんましんは食物アレルギーや体調不良(疲労やストレス)、温熱・日光、ひっかくなどの刺激や圧迫、薬、ウイルス感染など、さまざまな要因が考えられるため、特定できないこともあります。
まずは抗ヒスタミン薬などで治療し、赤みと腫れの症状が続く場合は、じんましん以外の皮膚疾患を疑います。
そのほかの皮膚疾患
- ほくろ、あざ、できもの
- 手足口病
- ウイルス性イボ
- とびひ(伝染性膿痂疹)
- 水ぼうそう(水痘)
- 虫刺され
- あざ
- あせも
- 皮膚カンジダ症
- かぶれ(接触皮膚炎)
- 水いぼ・とびひ
- 単純ヘルペス
- 帯状疱疹
など
お子さんの気になる皮膚症状は、お気軽にご相談ください。